2015年6月26日金曜日

2015-06-26 ビッグデータとはデータの大きさではなく意思決定に与える影響力の大きさだ!



Dr. Harikesh Nair
ハリケシュ・ネール博士
(スタンフォード大学経営大学院)


ビッグデータとはデータの大きさではなく意思決定に与える影響力の大きさだ!


スタンフォード大学経営大学院教授。マーケティング担当。応用経済学と計量モデルを用いて、マーケティング・データを科学的に分析して、消費者行動と企業の意思決定を解析している。研究分野は、価格決定、インセンティブ設計、ソーシャルメディア、ネットワーク効果、テクノロジーの普及など多岐にわたる。シカゴ大学博士(経営学)。『世界の経営大学院の40歳以下の最優秀教授40人』(2014)に選ばれた。


1. 昨年、あなたは、「Building Better Employee Incentives with Big Data.」(ビッグデータを活用して、社員のためのより効果的なインセンティブ制度を設計する)という簡潔な講演を行いました。そのスピーチの重要な点を要約してください。ビッグデータをどのように定義しますか?


データの「大きさ」(”bigness” of data)は、その量、または収集できる速度ではなく、むしろ、適切に適用されるときに、意思決定と結果に与える影響力の波及能力により、定義されるべきだと、私は思う。私の考え方では、ビッグデータは次のような事実を意味する。つまり、新しい方法により、情報と分析結果を、マネージャーがもつその領域の知識と組み合わせることで、組織に大きなインパクトを与えることである。これが、私が考える「ビッグデータ」である。

多くの企業が、どのように顧客と相互に作用しあっているかについて、データを収集するために莫大な投資をしたてきた。それを、私たちはCRMcustomer-relationship management)あるいは「顧客情報管理」と呼んでいる。現在は、私たちは、(企業と顧客の)接触地点や顧客がどのような行動をとったのかなど、顧客についての多くの情報を追跡できるようになっている。それにより、顧客と会社との相互作用の分析に対して革命がもたらされた。

私がビデオで述べているのは、企業内でも類似の革命が起こっているということである。具体的に述べよう。すでに、顧客と企業との相互作用を統計的モデルにすることができる。それと同じように、従業員がどのように行動するか、組織内で従業員同士がどのように相互に影響しあっているか、を分析し、さらに、そうした従業員の行動を細かく統計モデル化できるようになっている。そして、そうしたことすべてが追跡可能となっている。私たちは、企業を内部市場として捉えることもできる。これが近い将来起こる画期的な変化だと私は思う。つまり、「ビッグデータ」という概念が企業内や組織内に入ってくる。

重要な事実は、私たちは、現在まだ、どのような要因によって従業員が優秀になるのか、本当に理解できていないことだ。私たちは、なぜある従業員が優秀で、他の従業員がそうでないか、さらに何が生産性を高めるかを、体系的に理解していない。たとえば、チームが従業員の生産性を高めるかどうかを考えよう。孤立した作業で、あまりうまく仕事ができない従業員がいる。しかし、彼らを一緒にしてチームにすれば、期待を上回る成果を出す。では、誰を一緒にしてチームを編成したらよいのか。類似している従業員か、あるいは異質の従業員か。何がうまくいくか。そうしたことを私たちは本当に理解していない。新たなシナリオの優位な点は、誰が誰と一緒に仕事をしているか、彼らがどのように相互に作用しているかを追跡し、異なったチームの構造で、生産性がどう変化するかを検証できることだ。さらに面白いことに、こうしたすべての情報を、誰が高額の給与を得たか、誰が賞与や歩合給をもらったかのような伝統的な人事管理情報と組み合わせることができる。そして、こうしたデータを従業員がとった行動と照合することができる。その結果、次のような質問を組み立てることができる。「この従業員にこの金額の歩合給を支払ったら、彼の生産性がどれほど増加するか」つまり、私たちは、現在、定量的に歩合給の価値が測定できるのだ。



2. 企業の業績を改善するうえで、他のどのような分野においてビッグデータが特に有益だと思いますか。どのようにしてマネージャーと社員は、体系的にそういったデータを収集できますか。

私の同僚が提供した喩えを使うと、「ビッグデータとは石油のような天然資源」である。自然のままの原形では、石油はあまり役立たない。まず、それを掘削して貯蔵しなければならない。それから、洗浄する必要がある。最終的に、精製し、自動車やジェット機のエンジンが消費できるような状態に変換しなければならない。

データもそれに似ている。第一段階は収集である。しかし、単に大量のデータを収集しどこかに保存するだけではあまり役立たない。ビジネス上の質問に役立てるために、そのデータを体系的に片付けて整理しければならない。最後の段階が組織にとって最も大きな課題だと思う。すなわち、データ自体は、特定の「物語」を伝えないし語らない。ビジネスや専門分野に関する知識と組み合わされ、正しく解釈されて初めて価値をもつ。適切な実験の設計、問うべき質問、そして提案するためにデータをいつ使用すべきか、そして分析麻痺(analysis paralysis、過剰分析の結果、意思決定ができないこと)を避けるために使用すべきでないときはいつか。そうしたことが、データに関して、マネージャーが考えなければならない質問である。

だから、データの収集だけでは、あまり大きな変化はないと私は思う。分析結果の使い方に精通している聡明な個人が(ビジネスなどの)専門分野についての知識と組み合わせるときに、それは強力になる。企業の最も重要な課題はこうした能力のある人間を見つけることである。それは容易なことではない。人的資本の不足はきわめて現実味のある問題だ。ビジネスの分野に詳しくない、優秀な統計学者がいる。一方で、あるビジネス分野で訓練を受け資格も有するが、定量的に考える訓練を受けたことがない、あるいはデータにもとづいた思考方法が理解できない人材もいる。企業は両方とも可能な人材を見つけなくてはならない。どちらか一つの能力だけを有していても不十分である。つまり、企業は、こうした人的資本の側面に注意を集中しなければならない。

データの収集、洗浄(整理)、視覚化においてコンピューターソフトの大きな革新が起こっている。これらの作業のための素晴らしいソフトが存在する。しかし、第一線のマネージャーがこれらのデータを使って意思決定をしない限り、データはビジネスに何も影響を与えない。このデータをどのように活用しビジネスを前進させるかを理解する問題に比べれば、データの収集、整理、視覚化の要素は解決しやすいと思う。こうした目標を達成するために、企業は、既存の経営者をトレーニングし、新しい人材を採用し、また、マネージャーに意思決定の権限を委譲する必要がある。大学の役割は、積極的に質の高いトレーニングを数多く提供し、必須の技能を有している卒業生をより多く社会に送り出すことである。こうした課題に協力しながら取り組むべきである。とにかく、現在、有能な人材が極めて不足している。



3. それほど昔のことではありませんが、あなたはフェイスブックのメッセージ機能に関するビッグデータの研究を実施しました。それは、ソーシャル・メディアのコンテンツがもつ顧客エンゲージメント(ブランド、商品への愛着)への効果を調べるものでした。その研究を要約して、主な結果を説明してください。その結果はどの程度日本のような国にも当てはまると思いますか。

その研究の目的はソーシャル・メディアの文脈における、広告内容の役割を研究することにあった。この研究の背景を理解してもらうために次のような質問から始めよう。企業が広告に多額の資金を注ぎ込むとき、消費者は何を推定するだろうか。仮に商品の質が低かったとき、徹底した広告の影響で多くの消費者が商品を購入すれば、企業は悪影響を受けるだろう。したがって、企業が広告を重点的に活用するという事実は商品が良質である合図を消費者に送っていることになる。ここで重要な点は、企業による徹底した広告は商品が良質であることを消費者に示唆するということである。これを知りながらよく広告を利用するのは、優良企業だけである。悪い会社は広告を利用しないことがこの消費者の考え方を検証する。要するに、これがいわゆる広告のシグナリング・モデルである。

このモデルには不十分な点がある。それは、広告の恩恵に浴するために、必ずしも徹底的に広告する必要がないことを示唆する。単に、自社が消費者にとって良い会社だという合図を送るために少々お金をかけるだけで十分である。それにもかかわらず、多くの企業がかなりの資源を投じて、広告代理店や(広告の)クリエイティブ・ディレクターなどと契約を結び、印象的な広告宣伝を設計してもらう状況が観察できる。

そうした広告代理店は多くのクライアントを抱え、利益を上げている。ある広告はライフスタイルの特徴を強調し、他の広告は価格に言及する。またあなたがその商品を使うときにどのように快適に感じるかを表現する広告もある。さらに単に客観的な情報を提供する広告もある。すべての広告が示唆する点は、広告の創造性が重要であるということである。多くの消費者は、既にコカコーラとペプシを飲んだことがあり、それを飲んでどのように感じるかを知っている。したがって、消費者はコカコーラやペプシが「自分の嗜好に合うかどうか」を知るために広告を見る必要がない。しかし、両社は広告に多額の額を費やし続けていることを私たちは知っている。これは、明らかに、単なるシグナリングの問題ではない。このように、現在の標準的なモデルの限界は、広告の内容の影響力の強さを考慮しないことにある。私のこの研究は、どのくらい広告の内容が重要かを考察するものである。

私たちは、ある会社と協力して、企業がフェイスブックに投稿した記事を大量に収集した。それからアマゾンメカニカルターク(クラウドソーシングにもとづいた労働プラットフォーム)*を自然言語処理アルゴリズムと組み合わせ、投稿の内容の特徴を反映する変数を造り上げた。

例としては、投稿は価格に言及する、セールに言及する、ブランドに言及する、など。投稿は感情に触れる内容を含むか。その投稿は肯定的な感情か、あるいは否定的な感情か。私たちが発見した主な点は次のとおりだ。つまり、価格や入手可能性に関する情報、いわゆる「検索要素」は、私たちがフェイスブック上の「ライク(いいね)」とコメント数として定義したエンゲージメント(商品に対する愛着)を効果的に引き起こさなかったということである。対照的に、感情的な内容は、かなり多くの顧客エンゲージメントを生み出した。10万件以上のフェイスブック上の投稿を対象とした比較的大規模の研究から、感情に触れる内容がエンゲージメント(顧客の愛着)を生みだすために、極めて重要であるという結論にいたった。加えて、価格のような検索要素だけでは、エンゲージメントを生み出さないようにみえるが、感情に訴える内容と組み合わせると、エンゲージメントに好影響を与えることも明らかになった。この論文は、主な発見として、エンゲージメントを作り出すためには、感情的、または社会的な内容が重要であることを強調するものである。すなわち、情報提供だけではあまり効果がなさそうである。

* 従来、ソフトウェアに実行させていた処理のうち、人間の方が得意な作業を、開発者がタスクとしてウェッブ上で告知し、それが得意な人に請け負ってもらうための市場形式。単純作業にもかかわらず、ソフトウェアでは効率的に処理できないタスクを、人に処理してもらうことを依頼するシステム。そのタスクを仕上げた人には、報酬(相場は35セント)が支払われる。



4. 一般的にインターネットが、より具体的にはソーシャル・ネットワークが、マーケティング分野にどのような変化をもらしたと思いますか。そのなかで、最も有意義な変化を3つあげれば何になりますか。企業は、全体的に、そうした変化にどの程度うまく適応していますか。よりうまく適応するために、企業はどのようなことができますか。

ソーシャル・ネットワークはマーケティングの分野に巨大な変化をもたらした。その主な影響として、マーケティング・メッセージの重要度を増幅するスピルオーバー効果(拡散効果)を生んでいることがあげられる。ソーシャル・ネットワーク誕生前の時代は、利用者をターゲットにして、その人に影響を与えることができた。そのメッセージは、他の利用者にも影響を与えたかもしれないが、それを検証する方法を持たなかった。しかし、今は、(他の人々に対して)影響力をもつ利用者をターゲットにしてメッセージを送ることができる。そのメッセージによって、他のユーザー(彼、または彼女)が影響を受ける可能性があるだけでなく、そのメッセージの社会的な特性を理由として、他人とそのメッセージを共有するかもしれない。ターゲットとされたユーザーと関係している各個人がそのメッセージに影響を受け、今後は、そうした個人が彼らの友達と共有していく。こうして、ソーシャル・ネットワークがメッセージの影響力の効果を強化する。しかも、(素晴らしいことに)そうした影響力の効果の大部分が測定可能になった。

加えて、ソーシャル・ネットワークは消費者と企業との間のパワーの方程式を変えた。過去においては、レストランであるいは飛行機のフライトでひどいサービスを体験したら、その会社のCEOに苦情の手紙を送付したかもしれない。しかし、他の人はあなたの体験を知ることはない。あるいは、家に帰って近所の数人の友達にその体験を伝えられる。現在は、幅広い友人のネットークが閲覧できるフェイスブックに自分の体験を投稿できる。フェイスブックの友達のなかには自分も類似の体験をしたという反応をする者もいるだろう。彼らはあなたの体験を再投稿し、(ツイッターで)ツイートするかもしれない。そして、そうした友達の「友達」があなたの体験を読むかもしれない。あなたの体験に関する投稿は、ツイッターで(話題になっている共通のトピックの投稿や掲示の)「スレッド」に織り込まれかもしれない。そうなれば、最終的に、数百万人があなたの体験を知るようになる。このように、ソーシャル・ネットワークが消費者のパワーを増加させた。消費者は、今、自分の意見を大多数の人に対して説明できる能力(手段)を手に入れた。そうした能力は、かつて広告を出稿する資源(予算)を保有した企業だけが享受したものだった。しかし、現在、ソーシャル・メディアにより消費者が発言する能力を手に入れた。

こうした状況に対応するために、企業は何ができるか?私は、(効果)測定が非常に重要になってきていると思う。追跡技術が改善されてきた。広告の媒体・チャネルやソーシャル・メディアの選択肢が急増してきた。ツイッターで宣伝できるし、フェイスブックに広告を掲載できる。フェイスブックではソーシャル広告と広告フィード(配信広告)の選択肢もある。有料コンテンツとソーシャルコンテンツも選択肢であるし、ユーチューブもある。オフラインの世界と比べて、デジタル世界における測定技術が進んでいる。現在、多くの企業が洗練された測定ソフトを販売している。

問題は、それを活用する人的資源の側にあると私は考える。企業のマーケティング部門の人材は、現在、これらの技術をすべて効果的に活用できていない。従業員はその使い方が分からない。従業員たちは流入するデータ量と分析手法の選択肢の急増に圧倒されてしまっている。このような状況で企業がとることができる最初のステップは、企業内(インハウス)の測定能力を改善し、さらにこれらの技術を理解している人材を採用することである。さらに、企業は、データを提供している(データコンサルティング)企業に対してより質の高い測定結果を要求することもできる。



5. グーグル社が「ZMOT: Zero Moment of Truth (消費者が購買を決定する)ゼロ番目の決定的な瞬間)という新語を作りました。一方で、「消費者がスーパーの商品棚の商品を見て、購入か否かを決めるのは5から7秒」だと主張する伝統的な「FMOT: First Moment of Truth」(第1の決定的な瞬間)という考え方があります。それに対して、グーグルは、「現在、消費者はオンライン検索にもとづいて、買う商品をリアルな店舗に行く前に決定している」と信じています。あなたは、どの程度このグーグルの考え方に賛成しますか。あなたが賛成するとしたら、ZMOTは、企業のマーケティング部門へどのような示唆を与えていると思いますか。どのようにマーケティング戦略を変更することが求められますか

私は、学者として、複数の原因によってもたらされた現象に対して、ただ一つだけの原因を説明することを控えている。購入行動、つまりどこで買うかそしてどの商品を選ぶかは、複雑な過程を伴う。そのプロセスには、価格、便利さと他のブランドとの連想などの明白な要素の考慮が関係するし、クチコミや広告も関係する。このため、私は、FMOT(第一の決定的な瞬間)やZMOT(セロ番目の決定的な瞬間)の考え方をその理由として受け入れることを躊躇する。両方の考え方を購入行動の理由に適用できると思うが、どちらも他の全ての原因を除外する完全な説明になるとは私は思わない。

過去と比べると、情報の全体の巨大さとスマホで直ぐにそれを参照できる機能が、消費者の行動に有意なレベルで変化をもたらした。多くの消費者はもはや従来のライフスタイル広告や簡単なブランディングに影響されない。そもそもよく知られているブランドが何かを考えれば、その商品がとても高い品質を有していることの「手がかり」になっている。言い換えれば、その商品に、品質が高いという約束がついている。それを買うなら、あなたはだまされないという保証を伝える。もし私が時間の制約に直面し、購入についての情報を見つけられなければ、知名度の高いブランドを信頼する。この場合、知名度の高いブランドを購入するのが最もリスクが低くなる。

現在、情報を容易に発見しアクセスできるため、こうしたブランドの影響力は低下している。ある意味で、ライフスタイル広告の情報とブランディングの情報が代替品になっている。情報にアクセスしやすければ、私たちのネットワークから情報を入手する。その点で、私がグーグルのZMOTの概念に賛成する。多くの意思決定は店で実際に見る商品の特徴にもとづいてなされるのではない。消費者が(事前に)収集した情報によって意思決定がなされるのである。

この新しい現実に適応するために、2つの戦略が重要になってくる。一つが、人々にとっての時間の限界価値を熟慮することである。時間が制約されている人は、大量の情報を読み価格をチェックすることを最適な行動とみなさないかもしれない。彼らにとって、情報収集コストは高すぎる。他の人は、ある特定の状況において、それほど情報を必要としないかもしれない。他方で、他のケースでは、積極的に情報を収集するかもしれない。こうしたことを踏まえると、企業は、宣伝の内容とタイミングについて適切に的を絞ることが大切となる。大衆をターゲトにするマス・マーケティングの手法は、ブランドを大事にしている消費者を狙う多種類型の手法に変化してきている。

消費者がより積極的に情報を求め利用していることを所与とすると、二つ目の戦略として、企業がその情報を提供する役割を果たすことが考えられる。今日、優良企業は、何がその企業を優良企業にしているのかを説明するホームページを掲載することが求められる。自社が優良な会社だと単に発信するだけではもはや効果がない。なぜ優良なのかを説明しなくてはならない。企業は自社のホームページと商品情報ページを作成できる。企業は、消費者が情報を入手するチャネルの役割を果たす必要がある。多くの消費者が、グーグルの検索窓にキーワードを入力する。そのとき、企業は検索されるためにそこに存在しなければならない。これが、情報の急増とその収集に当たる費用の低下に企業が対応できる第2の方法となる。


2015年6月25日木曜日

Digital Kids  (デジタル・キッズ)



ディジタル教育の体験(実験)講座

背景
21世紀に入り、事業環境だけではなく、技術の普及や環境の問題等で社会が様変わりしています。この新しい世界で素晴らしい生活を築くために、新たな教育が要求されると考えています。それは単なるビックデータやウエブデザインなどに使うプログラミングの知識、能力だけでなく、それを様々な課題に活用する力やチームとして行動することにより、イノベーションを行うことも大切になります。ハーバード大学リンダ・ヒル教授の説明では、collective genius (集合天才)を開拓しなくてはいけないと言われています。

この様な状況を鑑みながら、子供の教育に効果のあるカリキュラムを作成しています。概念は、小学校4年生から始め、公立学校で学んだ知識も踏まえ、それに付加されるべき技能を組み合わせた個別教育を実践することにより、小学校修了時にはマイクロソフトオフィス等のソフトウェアを使用できる様に指導する。中学校1年生から3年生までに、HTML/CSSなど、ホームページを設計、デザインするプログラムを教え、高校1年生から3年生までは、ビックデータ分析に利用されるR言語とPythonなどや他プログラミングも教える予定です。

最近、日本のあちらこちらで、小学生にホームページを設計、構築するプログラムを教える学校が登場しています。ただ単にプログラムを書けることでなく、俯瞰的にコミュニケーション手段としてのウェブでの取り組みを教える教育プログラムを提供したいと考えています。また、部分的にScratchや他のアメリカ作成のオンラインプログラムも使う予定ですが、それだけに限らず直接設計、開発等の方法も含めることによってこの分野での包括的な学習ができると信じています。生徒たちの考えや要求に合った研修プログラムを日本語で作成し、直接指導をしたいと考えています。また、他のパトナー、学習機関と共に、全国でこのプログラムを拡げていきたいと考えています。短期で、大規模のこの分野の教育・研修の浸透ができることを目指します。その上、継続的に事業、このプログラムの改善を実施し、教育環境、社会、業界等の変化に対応した進化ができることを狙います。

既に、Scratchを開発したマサチューセッツ工科大学のメディア研究所の担当のミッシェル・レスニック教授とメール交換をしており、カーンアカデミーなどとも協力等について連絡を取っております。また、米国やイギリスなどでも、確立した教育プログラムはないですが、コンピューターサイエンス専攻の教育課程を修め、多くの教材を作成したので、それらを参考にしながら、現在の日本に唯一無二の総合的な教育プログラムを構築中です。その実現のために、今年9月にコーディング研修プログラムをオンラインと教室と両方でできる様、コーディングを教えている会社を訪問し、経営、その研修プログラム作成者、教師たちに会う予定です。

このようなプログラミングの無料実験授業に関心を持たれる教師の皆様、学校(公立・私立の小中高校、専門学校など)、組織などがありましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。インターネットに接続されるコンピューター環境、教室があれば、実施可能だと考えております。

ご連絡をお待ちしております。

ジョセフ・ガブリエラ
Joseph Gabriella, Ph.D., MBA, MS